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2007年 第1回 琴によるポップスコンクール結果 [2007年 第1回琴によるポップスコンクール]

連日猛暑日が続きます。
そんな時は猛烈にお琴を弾いて暑さを吹き飛ばそう!なんていかがでしょうか?
それはさておき、本日のニュースはなんと、先月末に行われた「第1回 琴によるポップスコンクール」の審査結果と審査員の1人である坂本正彦氏のコメントを掲載いたします。
今回が初めてのコンクールだったので結果はもちろん、どんなコンクールだったのか興味を持っている方も多いはず。
これは必見です!

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     第1回 琴によるポップスコンクール結果 

琴を一般大衆にもっと身近に、そして更に新しい琴の魅力を引き出したいとの思いを込めて企画された、大日本家庭音楽会主催の同コンクールの本選が7月29日に予選を通過した20組によって行われた。全国からの応募総数74組より選ばれた20組は、民謡・童謡・クラシック・アニメソング・ポップス等幅広いジャンルから選ばれた結果となり、あらゆる可能性を秘めた有意義なコンクールとなった。
 ポップスコンクールという性格上、上手な演奏より、魅力的な演奏が求められるのは当然のことで、予選の段階で多くの上手な演奏が本選に出場できなかったのは、この理由によるものである。他のジャンルの楽器では確立されたポップスのジャンルを、琴の世界でも花開かせたい。また琴にはその可能性が有ると信じてのコンクールである。従って最優秀賞はこのジャンルを花開かせる一人と誰もが認める人を選ばなければならない。そうでなければこのコンクールの存在自体が意味の無い事となってしまう、と言う危機感は審査員一同共有していた。
 しかし今回は残念ながら、その様な観点から、審査員一同が待ち望んだ最優秀賞の該当者は無しという結果に到った。審査員は坂本正彦・野村倫子・大平光美の各氏。結果は下記の通り。

  最優秀賞    該当者無し
  優秀賞     青野圭子 「君をのせて」(愛媛)
            高橋直也・渡部祐子 
              「Merry Christmas Mr.Lawrence」(東京)
            賞状および賞金10万円が授与。
  特別賞     渡辺正子編曲 「ルパン三世のテーマ」(東京)
            池内多賀子編曲 「Summer」(愛知)
            編曲者に対し賞状および賞金10万円が授与。
  出版特別賞  山路みほ 「六甲おろし」(岡山)    
            出版社より出版依頼書と初版印税を授与。 

 今回最優秀賞の該当者が無かった為、優秀賞・特別賞共に2組に増やした。
優秀賞の青野圭子氏は確かな演奏技術と熱いハートを感じさせる演奏で選ばれた。高橋・渡部氏の演奏はスマートでお洒落な演奏として選ばれた。もう少し聞く人を引き込む魅力が欲しい。しかし将来を期待できる二人である。ポップスでは音楽的には勿論、ビジュアル的にも演奏の雰囲気を強く感じさせる演奏スタイルも必要とされる時代である。
 優れた編曲に対して設けられた、特別賞には渡辺正子氏の「ルパン三世のテーマ」がそのスピード感とセンスの良さで選ばれ、他の曲と競り合いとなった池内氏の「Summer」は原曲の魅力がプラスされて特別賞となった。最後に出版社が出版してみたいと思った曲として山路みほ氏の「六甲おろし」を選んだ。発想の面白さ、琴の演奏幅を一気に広げた快作である。
 毎年このコンクールは続ける予定である。時代は刻々と変わって行く。もう一度大衆から愛される楽器への道を探して行きたい。時代は技術より感性を求めている。若い人達には多くのチャンスがある。来年も多くの人達のチャレンジをお待ちしています。

                     大日本家庭音楽会   社長 坂本正彦


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コメント 8

大平

審査させていただいた、大平です。

POPSコンクールに挑戦されたみなさん、おつかれさまでした!!

感想は坂本社長が書かれていることとほぼ同じなのですが、私が強く感じたことは、まずはオリジナルアレンジで挑戦された方達の中で「編曲を審査するコンクール」という意味あいでとらえているように感じた組が多かったことです。

すばらしい編曲なのですが、琴で演奏するのには無理があるものだったり、技術が追いつかなかったり、自分のものにできていなかったり。
あくまで「演奏の」コンクールですし、編曲に対して与えられる特別賞にしても演奏がよくなければその魅力を伝えることはできません。
ですので、のびのびと「琴の表現力」を生かすことのできる編曲で臨まれるといいのではないかと感じました。

また、「クラシックは厳しいな」ということも強く感じました。
クラシックを題材にすばらしい演奏をされた方も数組いらっしゃいましたが、「つぶをそろえる/くすみのない美しい音色が大切」なクラシックの楽曲で「多彩な音色感、という琴の表現力」を生かすのは至難の技だろうと感じました。

●受賞された方に関して。
私の編曲で挑戦された青野さんは、きちんと曲を自分のものにして、自分なりの思いを込めた「君をのせて」を演奏してくださり、それが高ポイントでした。
「Merry Christmas Mr.Lawrence」の高橋さんは、持ち前の爪音/雰囲気と楽曲のイメージがぴったりだったこと、アンサンブルの完成度が高かったことが評価されました。
特別賞の「ルパン三世」は、表現力はまだまだだけれど勢いは誰にも負けない!という若い奏者の演奏でしたが、それをよく生かすアレンジでした。
「Summer」は安定した17弦の使い方が三人の気持ちをひとつにすることにつながっていて聞きやすい演奏に仕上がっていました。
出版賞の「六甲おろし」は演奏も確実でしたが、それよりも何よりも、まさにアイディアの勝利!

予選を含め、小学生から中高年まで、これだけ多くのみなさんがカバー曲に真剣に取り組んでいることに、驚きと心強さを感じました。
また来年、どんな演奏を聞くことができるのか、とても楽しみにしています。
by 大平 (2007-08-11 00:34) 

青野圭子

 優秀賞をいただきました、青野圭子です。

 審査員の先生方、そしてスタッフの方々、この度は大変お世話になりました。
 このコンクールで、技術的な事はもちろんですが、地方にいる私にとっては人と人とのつながりや同じような考え方をもった熱い人たちに出会え、大変刺激を受け、有意義なコンクールだったと思います。終了後は、審査員の先生方や出場者との交流を交えながら、一人一人の批評をいただくことが出来、それだけでもかなりの勉強になると思いました。ありがとうございました。

 今後このコンクールに挑戦される方々へお伝えしたいことがあります。
「お箏の魅力を求める」と言う主旨のとおり、参加させていただくにあたって、より良いベストな状態で演奏できるよう応援してくださいます。単に技術を競うだけでなく、とっても楽しく、有意義なコンクールです!!!

 余談になりますが、コンクール終了後は、12時間かけて夜行バスで帰宅しました。居座り心地のよすぎる(?)シートで眠れぬまま、ずっと反省などをしながらコンクールのことを考えておりました。自宅に到着し、玄関に荷物をおいたまま、太平さん編曲の「春なのに」を、何かに取り付かれたのごとく(笑)弾き続ける自分が、可笑しくもあり不気味でした。

 今後は、自分の勉強とともに、地域から、「心を癒すお箏の音色」を発信できるよう頑張っていきたいと思っております。

                         青野圭子(20007・8・12)
by 青野圭子 (2007-08-12 12:32) 

kateiongakukai

ネット情報部ケイです。
優秀賞の青野さん、コメントありがとうございます。
それに審査員の大平先生、直接コメントいただけるとは思っていなかったので感激です!
来年コンクールに挑戦しようと考えている方はここで質問したらアドバイスがもらえるかも!?
by kateiongakukai (2007-08-13 11:51) 

高橋直也

優秀賞を頂きました高橋直也です。

審査員の先生の方々、スタッフの方々、今回のコンクールでは大変
お世話になりました。また、詳しいコメントを頂きありがとうございます。

審査員の先生方が懇親会や、ブログを通してアドバイスを下さっこと、
個性のあるいろいろな出場者の方々の演奏を聴き、交流できたこと、
そしてコンクールに向けて練習に明け暮れたこと、今回のコンクール
ではいろいろな事を勉強させて頂きました。本当にありがとうござい
ました。

今回のコンクールでの勉強させて頂いたことを糧に、今後もいっそう
頑張っていきたいと思っております。
by 高橋直也 (2007-08-13 19:14) 

優秀賞を頂きました渡部祐子です。

審査員の先生方をはじめ、スタッフの方々皆様、今回のポップスコンクールでは大変お世話になりました。また、詳しいコメントや批評を頂きありがとうございます。                                     色々な方々の演奏を聴くことが出来、とても刺激を受け、またそれと同時にとても勉強になりました。技術はもちろんですが、ただ演奏するだけではなく、相手に伝えるという事の難しさを改めて感じました。しかし、箏という楽器のすばらしい魅力も再発見できました。
審査員の先生方からアドバイスを頂いた事、コンクールに向けての練習の日々、出演者の方々との交流、今回のコンクールでとても貴重な体験をさせて頂きました。本当にありがとうございました。
今回勉強させて頂いた事を胸にとめ、色々な事に挑戦しながら、少しずつ前進したいと思っております。   
by 優秀賞を頂きました渡部祐子です。 (2007-08-14 21:05) 

山路 みほ

出版特別賞をいただきました 六甲・やまじ こと 山路みほ です。

今回のポップスコンクールでは、審査員の先生方、スタッフの皆様には大変お世話になりまして、本当にありがとうございました。

久しぶりに「コンクール」という名の付くイベントに参加させていただきましたが、今までのコンクールと雰囲気がまったく違い、前日のリハーサルもコンクール当日も和やかな雰囲気で、「あっ」という間の楽しい充実した2日間でした。



そして何より嬉しかったのが、審査員の先生をはじめスタッフの皆さんの優しさとお心遣いでした。
リハーサルでは優しくご助言をくださり、楽器や舞台のことでお願いしたことも嫌な顔一つされず気持ちよく答えてくださり、演奏するに関して心身ともにBESTな状況を作っていただけたこと、心より感謝しています。
本当にありがとうございました。

またコンクール後にも懇親会を用意してくださったお陰で、優秀賞を受賞された青野さんと、9月に舞台をご一緒させていただけることになりました。
このようなご縁を持たせていただけたのが何よりありがたいです。
いただいたご縁を大切に、演奏もがんばりたいと思います。



今回、私は「編曲」のコンクールと勘違いして、自分で編曲した本命2曲、ジョーク曲1曲を応募させていただいたのですが、なぜかジョーク曲の「六甲おろし」だけが予選通過ということで、ものすごい驚きと戸惑いがありました。
そして1日中「六甲おろし」を練習していると「あたしって、もしかして・・・・・阪神ファン!?」なんて洗脳されそうになったりして(笑)(六甲やまじは正真正銘の「広島ファン☆」です)



私は岡山県倉敷市に住みながら演奏活動をしています。
関西に近いこともあり、幾度となく「六甲おろし、箏で弾いて」とお客さまからリクエストをいただきました。
そうしてそのお声に応えるべくして、今日のお箏で弾く「六甲おろし」が出来上がったのでした!!

そんなちょうどの時に「ポップスコンクール」のチラシを目にしたものですから、

「おっ!!これはいいかも!?」

と喜び勇んで参加させていただいたのでした。

実は・・・・・・
この「六甲おろし」、このコンクールが関東初の演奏だったのです。
だから東京の方がこういう曲を受け入れてくださるかどうかものすごいドキドキもんでした。


ですから、坂本社長さんに「琴の演奏幅を一気に広げた快作」なんでおっしゃっていただけるのはうれしいやら恥ずかしいやら・・・・・・
「「六甲おろし」で楽譜出版」なんて「吉本へ行ったらいいんじゃない?」と言われ続けていることが少し現実味をおびえてきつつあるような・・・・・ん!?(笑)



何はともあれ、出版していただけるなんて夢のようです。
本当にありがとうございます。

どうぞ皆さん、ぜひ是非ゼヒ!!
「六甲おろし」購入して弾いてみてください!!
弾いていると、嫌なことを忘れて気分が楽しくなりますよ~!
そしてあなたも弾いたその日から阪神ファン!(←ウソです)




機会があれば、次回こそはポップスの「演奏」でトライしてみたいと思っています。
ネタはたくさんありますので(笑)、アレンジもがんばりつつ、人の心に伝えられるような演奏目指して、曲を仕上げてまいりたいと思います。

そして、ポップスコンクールに参加される日本国中のお箏を愛する人たちとの出会いも楽しみにして・・・。




                                    山路 みほ
by 山路 みほ (2007-09-06 01:47) 

kateiongakukai

六甲・山路さま
コメントありがとうございます。
コンクールがきっかけとなり賞を競い合った方と競演することになるとはすばらしいですね!
お筝を愛する方が一丸となって筝の魅力を伝えてくださるのは今一番望まれていることかもしれませんね。
今後のも活躍の様子もご紹介させていただきたいと思っています。
阪神ファン筝奏者のその後・・・いやいやコンクール受賞者のその後、ですね!
ネット情報部(K)
by kateiongakukai (2007-09-11 09:10) 

山口県宇部のコンクールで最優秀賞を頂いた、金子展寛です。

夏のコンクールでは大変お世話になりました。坂本先生のブログを見て、過大好評を頂き、驚いています、誠にありがとうございました。これを励みにこれからもコンクールなどに出場したりして頑張りたいと思います。ありがとうございました。    
by 山口県宇部のコンクールで最優秀賞を頂いた、金子展寛です。 (2007-09-21 23:56) 

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