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ポップス演奏コンクール・募集中 [コンクール情報]

HPトップでもお知らせしております「琴によるポップス演奏コンクール」、
申込募集中です。

6月13日締切です。ご興味のある方、是非ご覧くださいませ!!

[ひらめき]応募要項は末尾にございます[ひらめき]

ポップスコンクール.png
応募資格  1 年齢、プロ・アマチュアを問いません。
       2 琴ソロまたは少人数の琴アンサンブル

費用負担  1 予選審査料 5,000円
       2 本審査参加料 無料

応募方法  参加申込書に必要事項を記入し、 参加料4分以内の演奏を録音したカセットテープ またはMDを同封してください。

応募締切  平成22年6月13日

予選結果発表  平成22年7月上旬 直接文書にて通知

本選  平成22年8月29日(日) (於 大日本家庭音楽会スタジオ)

賞・表彰  最優秀賞:50万円 1名または1グループ、 優秀賞 :10万円 1名または1グループ、 特別賞 :10万円 優れた編曲、 奨励賞 :5万円 有望な新人に

審査員  大平光美・坂本正彦・野村倫子(五十音順)
主催  大日本家庭音楽会

申込み・問い合せ 大日本家庭音楽会コンクール事務局
東京都千代田区内神田1丁目15-10福島ビル地下1階
TEL 03(3294)7701・FAX 03(3294)7702

参加申込書
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第19回 全国小・中筝曲コンクール in 宇部 ~今年は中学生の部が充実~ [コンクール情報]

本日は去る8月に行われた第19回全国小・中筝曲コンクールの講評をお届けします。
将来の筝曲界を担う若者達の白熱した演奏のもようをうかがい知る事が出来ます。
是非、ご一読ください。

【第19回 全国小・中筝曲コンクール in 宇部】 

宇部市主催のコンクールも19回を迎え、8月23日(日)宇部ルネッサンスホールにて28組の小学生・中学生の精鋭によって盛大に開催されました。
ここ2・3年のコンクールに参加した天才少年少女の話題が大きな波紋を広げたが「、その後彼等がこのコンクールに挑戦するために、ものすごい努力をしていた事を知りました。
もともと天才など居るはずはなく、彼等のコンクールに挑戦すると云う強い決意と猛烈な練習を行って来たからの結果でした。
その中の一人は学校が休みの日には12時間練習していたとの噂を聞きました。
彼等は無理に練習したのでは無く、楽しんで練習したと思います。
心に描いた曲のイメージが練習すればする程、美しく輝きだすのが楽しくて、嬉しくて長時間琴の前に座っているはずです。
音楽は楽しいのが本質です。
本当に毎日毎日音楽を楽しんでいる人たちを天才と呼んでいるにすぎません。
 さて小学校の部では「ながれ」を弾いた、山本夏子さんが抜群の高得点で最優秀賞として選ばれた。
充分に弾き込まれた事を示す、音の張りと音色の美しさには輝くものがあり、メロディーを歌う心と表現力に非凡なものを感じる。
来年もまた別の曲で聞きたい人である。
続いて宇部市長賞に選ばれたのは「汽車ごっこ」の久家慶子さんで、日頃の練習量の豊富さから作り出されるタッチの良さには秀逸なものがあり、音色の輝きも良いものが有ったが、「汽車ごっこ」の音楽的美しさを、どの様に感じて、どのように表現したいと思ったか、と云う曲の理解力が不足している点で減点となった。
次の宇部市長賞を受賞した「さくら」の中野恵李那さんはとてもニュアンスの良い爪音と表現力を示してくれたが、この方も、曲の良さを表現する力が弱い点で3位となってしまった。
優秀賞からは外れ、優良賞となった「夜の大工さん」を演奏した麻井亮佑君は未だ技術的には未熟ながら、全身で音楽を表現しようとする方向が良い。
音色に光るものを感じる。
次回が楽しみである。
 次は「中学生の部」であるが、最優秀賞は「手事」の苧玉侑花さんと「みだれ」の脇坂明日香さんの二人の争いとなった。
宮城の古典的美意識のエッセンスと言われる「手事」と古典の名曲「みだれ」はどちらも中学生には高度な演奏技術と表現力を要求される曲である。
演奏された「手事」は2楽章「組歌風」から3楽章「輪舌」へとドラマチックな展開をする箇所である。
正に表現センスと高度な技術が求められる曲である。
一方「みだれ」は重厚で段ごとに変化する繊細な感覚と表現力を求められる曲である。
「手事」で表現されたセンスと切れか。
あるいは「みだれ」の抑制された品の良い演奏か。
実に優劣を決めがたい2曲であったが、最優秀賞は「手事」の苧玉侑花さんに決定した。
宇部市長賞には「みだれ」の脇坂明日香さんへ。
3位の宇部市教育長賞は「夜光虫と人魚の唄」を演奏した佐藤美由樹さんが、そのユニークな表現力の大きさで受賞した。
最後に天才少年・少女のニュース。
今回は2年連続、最優秀受賞者による招待演奏があった。
金子展寛君は二十五絃で「華やぎ」を演奏し新しい美意識への旅立ちを聞かせてくれ、佐竹真生子さんは自作「茜色の雪」を披露した。
華麗で美しいメロディアスな作品を聞きながら、未来の本格的作曲家の誕生を大いに予感したのであった。

審査員 坂本正彦


第3回 琴によるポップスコンクールDVD発売のご案内 [コンクール情報]

第3回 琴によるポップスコンクールDVD発売のご案内です。
どのような演奏が求められているのか、どの様な編曲が面白いのか・・・
ポップスの演奏でちょっと迷ったら参考にご覧になってはいかがでしょうか。
また、会場の雰囲気がよくわかりますので来年以降にポップスコンクールに応募してみようという方は必見です。
お求めはお電話かE-Mail で。
1枚2,000円(税込、送料別)で販売しています。 

お電話での申し込みはこちら  (有)大日本家庭音楽会 東京営業所  03(3294)7701  
メールでのお申し込みはこちら  webinfo@dainihon-kateiongaku.co.jp

注)プロモーションビデオではありませんので会場内の雑音などがございます事をご了承ください。


第3回 琴によるポップスコンクール結果 [コンクール情報]

皆様 こんにちは。
秋風が心地よい今日この頃、いかがお過ごしですか?
今日は8月に行われました第3回 琴によるポップスしんコンクールの結果と同コンクール主催者からの講評をお届けします。
今回チャレンジした方、来年は挑戦しようと思っている方、はたまたお琴でポップスを演奏することに興味のある方・・・何かヒントになる言葉があるかも知れません。
是非、ご一読ください。

【第3回 琴によるポップスコンクール結果】

 大日本家庭音楽会主催の同コンクール本選が8月9日に家庭音楽会神田スタジオで、予選通過の13組によって行われた。
今回は演奏レベルが比較的高い方々の本選となったが、審査員一同を惹き付けるような演奏者は今回も見当たらなかった。
今年も残念ながら最優秀賞は該当者無しという結果となった。
審査員は坂本正彦・野村倫子・大平光美の各氏。
結果は下記の通り。

 最優秀賞  該当者無し
 優秀賞   ①奥村健一・奥村京子 「恋におちて」 (新潟)
         ②藤崎哲矢・日高さとみ 「プレイ・バックpartⅡ」 (埼玉)
          賞状および賞金10万円が授与。
 特別賞   ①日高さとみ 「夢一夜」 (東京)
         ②金子展寛 「明日への扉」 (東京)
 今回も最優秀賞の該当者が無かった為、審査員特別賞を2組に追加決定した。
優秀賞の奥村健一氏の「恋におちて」は清楚で端正な奥村氏の演奏が高い評価を得て、優秀賞が真っ先に決定した。
ただ伴奏の17絃の音楽的効果が低かった事に不満が残った。
続いて優秀賞に選ばれたのは藤崎哲矢・日高さとみ「プレイ・バックpartⅡ」だった。
第一回より出演されているこのお二人は、高い演奏技術を持ち、舞台に独特の雰囲気を醸し出す表現力を持っており、これは評価すべきものであろう。
ただ曲の表現スタイルが少し古いのが残念な点である。
選曲もベストではなかったような気がする。
 この20年の間に映像文化とインターネットの発展により、一般大衆の色彩感覚やデザイン感覚は飛躍的に向上し、安価でセンスの良い物に囲まれて、質の高い大衆社会へと変貌して行っています。
そんな中、邦楽界の時代感性の遅れを痛切に感じています。
ポップスコンクールで求めているものは、新しい時代感性を感じる演奏とその音楽性を効果的に聞かせる為の音楽デザインであり、古いものがだめと言っている訳ではなく、古いものを新しいデザインで表現する事によって、その古い良さをより引き出す感性が必要です。
やはり「お琴って素敵ね!」とか「この曲はお琴で弾いた方が素敵ね!」と一般の方々にも言って欲しいのです。
 江戸時代衰退した琴音楽を蘇らせたのは、当時の町人文化が生みだした三味線音楽を琴にも取り入れる事によって、大衆が喜んで聞いてくれる音楽となり琴は隆盛を迎えました。
明治から江戸的美意識が薄れていく中、大正から昭和にかけて、宮城道雄や筑紫歌都子が当時最先端であるヨーロッパのロマンティシズムを琴音楽に取り入れ、若者に熱狂的に指示されました。
 戦後の高度成長期には、洋楽器系の作曲家による現代邦楽が学生を中心にブームとなりましたが、そのブームを支えた学生邦楽のメンバー達も既に還暦世代に入り、高齢化社会の一員となってしまいました。
社会は急速に変化していきます。
ただ音楽の本質的テーマは、人を恋う心や友情・別れの悲しみ等、万葉集の時代から何も変わっていない。
変わったのは、その表現方法と聞かせ方のデザインである。
 今回も大変上手な演奏グループが数組あったが、その演奏表現と曲のデザイン(編曲)のセンスが些か古く感じられたのが、受賞から外れた原因である。
ポップスには現代・今の大衆の心を鷲掴みにして 「お琴って素敵ね!」と言わせる人と音楽が出て来て欲しいと切に願う所から、このコンクールを続けているのである。
それだけに中途半端な妥協で、最優秀賞を決める事は出来ないと固く信じています。
次回にどんな曲と演奏者に出会えるかが楽しみです。
また何度もチェレンジする事の素晴らしさを今回も実感させられました。
人は時と共に変化するし、挑戦する度に音楽に魂が籠って行くのが感じられます。
今回の受賞者もそうですし、遠く礼文島から今回も参加して頂いた、浜下陽子さんの急速な音楽的上達には感動すら覚えました。
荒井美帆さんはもっと深い音楽的世界を現代的に切り開く能力を持った方だと信じているからこそ、今回は受賞対象から外れました。
その他野村玲子さんのリズムの切れと音質の高級感は次回に期待させるものを感じた。
今回審査員特別賞を贈る事になった日高さとみさんは、舞台を独自の色合いに染め上げてしまう音色の表現力には、群を抜いた魅力がある。
デザインは少し古いが来年もまた日高さんの演奏を聞きたいと言う意味で選んだ。
金子展寛君は中学生ながら編曲のセンスの良さと、演奏の確かさを期待しての選考。
後はグループとしてのサウンドの魅力を作り上げる事が残された仕事である。
 最後に今年は学校関係の申し込みが数組あったのが特徴で、御指導なさっている先生方の人格的高潔感や熱い気持ちが感じられて、本当に嬉しかった。
まだ演奏技術が未熟で残念な結果とはなったが、今後が楽しみな傾向である。
色んな意味でも次回が期待される。

審査員 坂本正彦



 


第18回全国小・中学生筝曲コンクール in 宇部 [コンクール情報]

皆様こんにちは。
朝晩が涼しくなり秋の気配を感じる今日この頃、いかがお過ごしですか。
本日は先月行われた筝曲コンクールの結果と審査感想文をお届けします。

<第18回全国小・中学生筝曲コンクール in 宇部>
日時:平成20年8月24日(日)
会場:宇部市楠総合センター
審査員:佐藤義久・沢井比可流・坂本正彦・田村洋 (敬称略)

最優秀賞・山口県知事賞
<小学生の部>佐竹真生子 (岡山県)
<中学生の部>金子展寛 (東京都)
優秀賞・宇部市長賞
<小学生の部>苧玉侑花 (兵庫県)
<中学生の部>上田麻里名 (愛知県)
優秀賞・宇部市教育長賞
<小学生の部>小林令奈 (千葉県)
<中学生の部>高橋由貴 (大阪府)

以下は4名の審査員の一人であった坂本正彦氏が今回のコンクール審査で感じた感想文です。

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~もう一人の天才少女の出現で更に注目を浴びた~
 第18回全国小・中学生筝曲コンクール in 宇部

 第10回迄は20人前後の参加者に過ぎなかったこのコンクールも年々増加し、今回は43人という空前の参加者を迎えた。
しかも大変レベルの高いもので、今や小・中学生筝曲コンクールとして最も優秀な人材が全国から集まって来たと言える程の素晴らしいコンクールとなった。
 今回最も注目を浴びたのは、小学生の部で昨年に続き最優秀賞を受賞した、佐竹真生子さんである。
佐竹さんは小学3年生頃から自作の曲で参加していたが、昨年よりその独創性が一段と輝きだし、その才能の片鱗が開花し始めていた。
今年も「舞花」と云う自作品で挑戦し、衣装、小道具まで完璧に準備して、曲の雰囲気を堂々と表現してくれた。
しかも彼女の演奏技術も飛躍的に向上していた。
作品自体の音楽的評価は別にして、独創性と表現力には非凡な才能を感じさせるものが有る。
筝の世界にも当然視覚的要素が強く求められる時代が来ている所から、彼女の存在はこれからの筝曲界に新しい方向を拡げて行く可能性がある。
ただ、次回は既成の名曲を彼女がどの様な感性で演奏するかを聞いてみたい。
 次に小学生の部2位の「宇部市長賞」に選ばれた、苧玉侑花さんは「手事」の「第一楽章」を切れの良いタッチと見事な流れで、この名曲を弾ききったのは圧巻で、審査員の中にはこの「手事」を1位に採点する方も居た。
ただ個人的には、宮城曲のエッセンスである切れと繊細な表現の、繊細さをもう少し大切にして欲しかった。
3位の小林令奈さんの「幻を追うて」も筑紫曲特有の多彩な音色感と間を大切にした表現力も素晴らしい感性が感じられた。
この上位3者はいずれが1位に選ばれても異論が無い程の激戦で、今回の音楽的レベルの高さを示すもので有った。
 二人の天才少年で話題になった中学生の部は、今回も圧倒的評価で金子展寛君の「乱」の演奏が最優秀賞「山口県知事賞」に選ばれた。
彼の舞台を圧する重厚な演奏力は、もはや少年の物では無い。
間違い無く筝曲界の将来の逸材である。
音の重心がしっかりと低く、直線と曲線で進む曲の流れは舞に似て日本の伝統的流れの美しさを具現している。
惜しむらくは、「乱」の重要な表現ポイントとなる、余韻の響きが少し薄かったのが気になった。
しかし何れにしても才能豊かな素晴らしい逸材である。
2位に輝いた上田麻里名さんは、牧野由多可作曲の「十七絃独奏による主題と変容 風」を演奏。
この難解で内面的感性を強く求められる名曲「風」を彼女なりの感性で見事に表現しきったのには敬服した。
何よりもこの曲を大きくナチュラルな形で表現出来ているのが良い。
上田さんの感性の豊かさを感じる。
一方もう一人の天才少年、佐竹祐磨君は前年は「水の変態」今回は「瀬音」に挑戦。
しかし平凡な演奏に終始した。
あの「線香花火」で見せた繊細で煌く感性は何処に消えたのでしょうか。
きっと手が早いフレーズを上下のリズム感で処理した為、リズムの底に潜む、繊細で暖かい世界が見えなくなったのかも知れない。
まず音の重心を低くして、摺足のリズムを習得すべきかも知れない。
そうすると流れの下の繊細な景色が見え始めるに違い無い。
佐竹祐磨君は素晴らしい才能を持っているはずだから。
                                                             (坂本正彦)

第17回全国小・中学筝曲コンクール in 宇部 [コンクール情報]

「夏の思い出」第2弾です。
今回は8月19日に開催された小・中学生のためのコンクールの報告です。
審査員の一人を務めた坂本正彦がコンクールの感想をまとめました。
このコンクールの初回当時を振り返りながら邦楽界の未来であるこども達へメッセージを送ります。

~二人の天才少年の出現で一躍注目を集めた
   第17回全国小・中学筝曲コンクール in 宇部~

山口県中央部にある人口わずか6千の町、楠町が町興しとして始めた琴コンクール第1回目は、当時人面魚で話題となったお寺の境内で行なわれた。
ほぼ全員が譜面を前にしての演奏で、風が吹くと慌てて関係者が吹き飛んだ譜面を追いかけるシーンが続出する等、子供らしく楽しい雰囲気でのコンクールとして始まった。
最初の頃の参加者は、ほぼ県内に限られたいたものが、回を重ねる毎に西日本一帯に広がり、10回越える頃には関東からの参加者が加わる事となり、文字通り全国でも有数のコンクールとして定着している。
その結果近年では参加者全員が暗譜となり、演奏レベルが飛躍的に向上した。
 そして昨年二人の英才がコンクールに参加することにより、この宇部のコンクールが衝撃的な印象を与えるものとなった。
その一人は、岐阜の佐竹祐磨君で宮城道雄の「線香花火」を演奏。
その繊細で高級感溢れる音色は聴衆を魅了した。
特に線香花火がパッっと弾けて美しい光の光の花を見せる様の表現は秀逸で、正直これは子供で表現できる技術を超えていると思った程である。
この曲は目が見えない人が聴覚で描いた作品で、その聴覚で描いた線香花火の美しい印象を見事に琴で表現した才能は、並みの才能では無い。
もう一人は東京の金子展寛君で、古曲「千鳥の曲」を演奏。
前者の佐竹君が小柄で痩身なのに対し、金子君はとても小学6年生とは思えないほど大柄で、もう大人の雰囲気を感じさせる風格がある少年であった。
「千鳥の曲」が始まると聴衆は強く惹き付けられた。
骨格の大きな演奏であり、しかも品格のある見事な演奏であった。
審査員一同どちらを1位にするか激論となったが、「線香花火」の佐竹君の感性の素晴らしさの方を推して、佐竹君の「最優秀賞」が決定し、金子君は2位に甘んじるという結果となった。
 今年もこの二人は、宇部のコンクールに出場してきた。
今年は共に中学1年生として。
佐竹君は宮城道雄作曲「水の変態」、金子君は古曲「五段砧」と堂々とした選曲で。
従来このコンクールは、筑紫歌都子作曲「雪の幻想」「幻を追うて」、沢井忠夫作曲「鳥のように」、そして吉崎克彦作曲「風に聞け」を上位入賞者が選曲するというのが定番となっていた。
子供でもしっかりと練習すれば、その子供の感性を引き出しやすい曲という理由からであった。
従って「宮城曲」や「古典」では、子供達の感性を引き出すのはまだ難しいとの観測が定着していた。
その予測をこの二人は敢然と打ち破ろうとしているし、現に昨年完全に打ち破った。
 さて、今年の結果であるが、佐竹君は出だしの唄でつまづき、最後まで彼の実力を発揮出来ないまま終わった。
しかし彼の非凡な才能は随所に感じられた。
一方金子君の「五段砧」は見事な演奏で「シャン」という合わせ爪の美しく豊かな響きだけでも彼の豊かな才能を感じさせるもので、今回中学生の部の最優秀賞は文句無く、金子君で決定した。
結果はともあれ、この二人は間違い無く良きライバルとして頭角を現し、将来筝曲界を背負う存在となる逸材である事は紛れも無い事実である。
来年も又この二人が参加して、コンクールが一層の盛り上がりを見せると共に、子供達の演奏技術と音楽感性のレベルが更に高まっていく事を期待してやまない。
 最後にこのコンクールでは、もう一つ注目すべき曲があり、それは小学生の部の最優秀賞を受賞した「飛蝗~飛べバッタ」で、演奏したのは岡山の小学5年の佐竹真生子さんで、彼女は3年前から自ら作詞・作曲した曲で挑戦している。
昨年までは演奏、表現力ともに幼さが感じらたが、今年は自ら作曲した者だけが見せる自信と表現力が桁違いに大きくなって、聴衆を引き付ける魅力を持つ様になっていた。
演奏技術が格段に上達した事も最優秀賞に決定した大きな理由で有る事は言うまでも無い。
小学生が自作品でコンクールに参加する事自体、過去に殆ど例が無いことで、ましてや最優秀賞を受賞する等有り得ない事である。
彼女が今後どの様な作曲をし、どの様な演奏を聞かせてくれるかも、この宇部のコンクールの楽しみの一つである。
何れにしても来年のコンクール開催が早くも待ち望まれる次第である。
                                    (記) 坂本正彦

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【コンクール概要】
琴と書道のコンクール 第17回全国小・中学生筝曲コンクール in 宇部

日程:2007年8月19日
場所:山口県宇部市総合センター
受賞者:
   小学生の部 
   最優秀賞(山口県知事賞)=佐竹真生子(小5)「飛蝗~飛べバッタ」
   優秀賞(宇部市教育長賞)=村上茉比路(小6)「風にきけPartⅡ」
   優秀賞(宇部市長賞)=片山美咲(小6)「雪の幻想」
優良賞= 山本夏子(小3)「よろこび」
          苧玉侑花(小5)「祭りの太鼓」
          善家萌(小5)「衛兵の交替」
      木下彩理(小6)「幻を追うて」
  
   中学生の部
   最優秀賞(山口県知事賞)=金子展寛(中1)「五段砧」
   優秀賞(宇部市教育長賞)=田中華鈴(中1)「せせらぎ」
   優秀賞(宇部市長賞)=玉重智基(中1)「プリズム」
   優良賞=佐竹祐磨(中1)「水の変態」
         前村琴恵(中1)「祭りの太鼓」
         井手佐秀(中2)「綺羅」
        岩田里奈(中2)「鳥のように」
           
                         2007.9.18 by K


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